歳を取ってから汗が臭うようになった。これってなんで?
昔は汗をかいても全く臭わなかったのに、最近(年齢を増してきて)汗が臭うようになってきた…。こんな変化を感じている人は多いのではないでしょうか?
私自身も昔から極度の汗かきで、人一倍汗をかく体質でした。それでも無臭だったのでそこまで影響はないかなと思っていたんですよね。
汗かきなのは自分が嫌なだけで周りからは代謝が良くていいよね♪なんて言われていたので、深く考えていませんでした。
しかし30歳を超えてから徐々に汗が臭うように…。汗を吸収したインナーを嗅いでみると嫌な臭がするのです。
周りに聞けば臭いそのものは周囲には漂っていないようですが、このままでは時間の問題なのではないかと感じるようになり色々情報を収集してしました。
汗は本来臭うものではない。エクリン腺とアポクリン腺の存在
汗について語るにはまずこの存在について話さないわけにはいきません。汗は汗腺から出ていますが、汗腺には2種類あります。
それがエクリン腺とアポクリン腺です。この汗腺から汗をかいているわけですが、2つの汗腺には違いがあります。
基本的に普段かいている汗はエクリン腺から出ているものです。このエクリン腺から出る汗はほぼ水と塩分で出来ていて、臭いのもとになる成分は含まれていません。
その為体温調整や運動時などにかく汗はエクリン腺から出ている健康的な汗なので臭いません。
一方アポクリン選からでる汗はミネラルや塩分以外にも栄養素が含まれており、粘り気があり臭いのもとになる可能性のある汗なんです。
アポクリン腺は人によって個人差がある
このアポクリン腺の数は実は人によって個人差があるんです。この数は遺伝が大きいとされています。
ワキガに苦しんでいる人の場合、このアポクリン腺の数が遺伝的に多く、そこから汗が発せられていることからツンと来る臭いを人よりも多く発してしまうのです。
またこのアポクリン腺は脇や足の裏、陰部や乳首周りにも多く存在するようで、その部分からキツい臭がする人はアポクリン腺が多いことが影響していると考えられます。
これは加齢に伴い増減するものではなく、生まれ持ったものと考えることが分かりやすいでしょう。
食生活や生活環境によって変化することもありません。
エクリン腺、アポクリン腺共に汗そのものには臭いがない
このように汗の質いは違いはあるものの、排出された汗そのものには匂いがありません。
ではなぜ汗が臭うのか。それは汗が衣服に付き空気と触れることで酸化したり菌が繁殖したりすることが問題なんです。
その場合多くの成分が含まれているアポクリン腺から出る汗のほうが強烈な臭いを発してしまいます。
ここで臭いの違いが生まれてしまうのですが、本来汗そのものには臭いがないことは覚えておきましょう。
歳を増してから汗が臭いだした。これはアポクリン線が関係しているのか
では軽くエクリン腺とアポクリン腺についてお話したところで、本題に入りたいと思います。
汗そのものに臭いはないこと。臭いがきつくなるのはアポクリン腺から出る汗の影響が大きい事。この2つを考えると歳を増してから臭いがきつくなるのはアポクリン腺が関係しているのか?と感じると思います。
ですが先程も言いましたが、加齢に伴い増減するものではなく、食生活や生活環境によって変化することもない。のがアポクリン腺です。
ズバリ!加齢にともいない汗が臭うようになるのは「汗腺機能の衰え」が関係しています。
つまりエクリン腺から出る汗が臭うようになってしまったことが関係していると考えられます。
汗腺機能が衰えると汗の質が変わってしまう
エクリン腺から出る汗は水と塩分が中心だ!と先ほど話しましたが、これは汗腺の機能がしっかり働いていることで体外に排出される時に水・塩分が中心の汗となっているのです。
エクリン腺から出る汗も元はミネラル分など栄養素も含まれていいます。しかし汗腺が正常に働くことでミネラルなどの栄養素は体内に残され(吸収され)、水と塩分だけを排出する仕組みになっています。
結果的にニオイ成分の少ないエクリン腺から出た汗は臭いを放つ事が少ないのです。
ただしこの汗腺機能が衰えてしまうと栄養素(ミネラル類)を吸収できずに、汗として一緒に体外に排出してしまうようになってしまいます。
やや粘り気のあるミネラルを含んだこの汗はアルカリ性で、雑菌が好む汗。衣服に付き酸化し菌が繁殖すれば当然臭いがキツくなってしまうのです。
汗をかく習慣のない人は汗腺機能が衰えがち
汗腺機能は当然利用頻度が減ると機能が衰えてしまいます。運動をしなければ筋力は衰えてしまいますよね?それと同じ原理です。
汗腺機能があまり使われなくなると機能が衰えたり休止してしまいます。休止してしまうと代謝は下がり健康にも異常をきたしてしまうでしょう。
運動不足で汗をかく機会が少ない。デスクワークで空調がきいている。
このように汗をかく習慣が極端に少ない人は汗腺機能が衰えてしまいやすくなります。
高齢になると汗腺機能が衰えやすくなる。だから臭うようになる
汗が臭う仕組みについて軽く勉強しただけでも「昔に比べて汗が臭うようになる理由」が何となくわかったのではないでしょうか?
これらを考えれば年齢を増し「汗をかく習慣が減った」ことが直接的な原因だと想像がつきます。
どうしても年齢を重ねると運動不足になりますし、汗をかく機会も激減する人が多いでしょう。
そのような人は汗腺機能が低下してエクリン腺から出る汗でさえ臭いを放つようになった事が大きな原因。
つまり運動を頻繁に行い汗をかく習慣を取り戻し、汗腺機能を正常に戻せば臭う汗を解消できるかもしれないということです。